2007年06月29日

長野市近郊が舞台の映画「転校生」

長野市近郊が舞台の映画「転校生」「50年後に長野の子供たちに見せる映画を作ってください。」
善光寺本堂再建300年を記念して長野市の有志たちのこんな言葉からこの作品は作られたという。
信州長野を舞台に、いきなり心が入れ替わってしまった中学生二人の心の葛藤を描く青春ファンタジー。尾道三部作といわれた『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』の初作が25年ぶりに蘇った。
秋色に彩られた風景を電車が走っていく。いきなり長野電鉄の登場に僕は嬉しくなった。
(写真は映画に出てくる権堂の麺屋響。このすぐ近くに一夫の実家で使われた場所があり、今は空き家になっている)




地元の僕が見た感想は多分他の人と違っていて「やっぱり僕は信州が好きなんだなぁ」ということだった。
物語がどうのこうの言う前に長野市近郊の馴染みの場所が次々と出てくる。
主人公一美(蓮佛美沙子)の実家は善光寺に実在するそば屋さん門前蕎麦処大丸だし、一美と一夫( 森田直幸)の通う善光寺北中学校は長野西校、二人の通学路は城山小学校の石段、今はなき銭湯「鶴の湯」も出ている。
一美と一夫が旅の一座と泊まった宿はどうみても加賀井温泉の一陽館だ。(いきなりネタバレごめん)
他にも善光寺界隈、権藤のアーケードや路地裏、戸隠のそば畑や鏡池など。。。長野市民病院なんて実名のまま出ていた(笑)。
それだけでも僕はこの映画を見た価値はあった♪

前作がちょっとお笑い系だったのに対し、本作はそこにノスタルジックな要素を包含させ、ちょっと切なく出来ている。
いい作品だと思う。
小林聡美さんと尾美としのりさんが演じた初作を見て、当時まだ若かった僕はどきまぎしたものだ。その小林聡美さんがもう、よ、よ、四十代なのだから僕も歳をとったということだ・・・(汗)。
主人公一美役の鳥取県出身、蓮佛美沙子さんの演技が素晴らしかった。
蕎麦屋の娘。和服姿の彼女は、心は男の子役なのに色気があった。彼女が後輩のO君の奥さんに似ていることもあり、僕としては正直ちょっと恥ずかしかった(汗)が、15歳とは思えない凛とした堂々とした演技だ。
一美の恋人、キルケゴールの「死にいたる病」を薦める哲学男の弘君(厚木拓郎)もいい味を出していた(笑)
信州の美しさ、古きよき街並みを背景に、淡々と進む物語には、意外な結末が待っている。
ピアノの弾き語りとともに最後はぐっとくる作品。特に長野の人には見て欲しい♪。



監督:大林宣彦
原作:山中恒「おれがあいつであいつがおれで」
出演:蓮佛美沙子、森田直幸、清水美砂、厚木拓郎、寺島咲、石田ひかり、田口トモロヲ、斉藤健一、窪塚俊介、宍戸錠、入江若葉、小林桂樹、犬塚弘、古手川祐子、長門裕之
主題歌:寺尾紗穂「さよならの歌」
劇場:長野シネマグランズ
ホームページ:http://www.tenkousei.net/top.html

「人の命には限りがあるが、物語は永遠である」


Posted by 柵作太郎 at 23:50│Comments(5)
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長野を舞台にリメークされた映画「転校生 さよなら あなた」を家族で見てきた。監督の大林宜彦さんは、大学で自主制作映画を作っていた20ん年前、やはり自主制作出身でデビューして「...
「転校生」と信州の映画【信州とっておきブログ by エムティラボ】at 2007年07月03日 08:26
この記事へのコメント
まだ見に行けてないんです・・・。
転校生ブログを見て、早く行きたいと思っていたのですが、
柵作太郎さんのブログ見て、またまた見たくなりました☆
Posted by もりたまい at 2007年06月30日 00:07
初めまして。トラックバックさせて頂きました。「転校生」今の若い人たちはどう見るんでしょうね。長野の町並みや蕎麦屋の大家族がフィルムでずっと残って、後々まで見られるようになればいいですね。
Posted by 会社ごとIターン族 at 2007年07月03日 08:27
失礼します。映画まだみていません、楽しみです。
↑「権藤」→「権堂」でお願いします…。
Posted by ろじてん at 2007年07月08日 07:49
素敵なブログだなっっと思ったので遊びに来ました^^いつも楽しみにしています♪
Posted by 恋活はじめます♪誰か一緒に行かない?? at 2010年04月03日 12:23
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